トマトパークだより-第45便-
外気導入システムの利用方法について
トマトパークの栽培室5ではハウス内の湿度や温度のムラを極力減らし、積極的なCO2施用にも役に立つ外気導入システムを使用しています。外気導入システムは強制的に外部の空気とハウス内の空気を入れ替えたり、混合して循環させたりできるため、通年で利用価値が高い設備です。
【外気導入システムの構造】
トマトパークの外気導入システムの構造を説明します。ハウスの外側に外気取り込み用のコリドー(*1・写真1)を設けています。コリドーにはシャッター式の側窓とハウス内の空気を取り込む小窓があります。コリドーはそれぞれの窓から入った外気とハウス内の空気を混合する役目も果たします。またコリドーにはヒートポンプとハウス内への吹出用のファン、CO2の施用ダクトが設置されています。吹出口からは各畝にダクトが伸びて、コリドー内の空気を吹き出します(*2・写真2)。
写真1 空気を混合するコリドー *1
写真2 外気導入のためのダクト *2
この際、CO2が一緒にハウス内に送り込まれます。以上のコリドー内の各種装置とハウス内のカーテン、天窓を組み合わせて稼働させ、高温、低温、乾燥、多湿に揺れ動くハウス内環境を安定させます。
【初夏からの外気導入システム利用方法】
5月にもなると通常のハウスでは天窓と側窓を全開にして気温の上昇に対応します。すると、側窓近くとハウス中央で気流に差が生じ、気温やCO2のムラができます。そのため4月後半からは均質的な管理やCO2施用を諦める方も多いのではないでしょうか。外気導入を使用すると、外気を強制的に押し込むことで天窓を全開にせずともハウス内の熱気を追い出すことができます。晴天でも天窓の開度を抑えることでダクトから天窓へと空気の流れが安定するため、コリドー内に噴射されたCO2を安定して群落下から施用することが可能です。群落内を通る気流を利用するため、高温期にも高濃度のCO2を施用できるのも利点です。また、遮熱や遮光のためにカーテンを使用してもハウス内が陽圧になっているため十分な排気が確保されます。外気と内気の交換は除湿にもつながります。
コリドーを利用する外気導入システムは通年で環境を制御できる可能性を高めてくれます。これからも効率的な環境管理について情報発信を続けていきます。
また今回の外気導入システムについての説明動画もあるので、見てみてください!!
https://www.youtube.com/watch?v=qDJNPmEDm94 (誠和YouTubeチャンネルへ移動します。)
トマトパーク栽培状況 4月
大玉トマト -栽培室①-
【栽培ノート:2020年3月16日~2020年4月15日】
定植:2019年8月17日 品種 穂木:りんか409(株式会社 サカタのタネ) 台木:フレンドシップ(株式会社 サカタのタネ) 栽植密度:3.12本/m2 |
|
生育状況 (4月15日現在) |
総草丈:549.7cm、茎径:8.2mm、葉数:10.2枚、 開花花房:21.8段、収穫段数:16段 |
栽培作業 (4月15日~) |
誘引、直上葉・下葉の摘葉 (※直上葉の摘葉は4月上旬で終了)、 吊りおろし、摘花、わき芽取り、収穫 |
病害虫防除 (4月15日~) |
コナジラミ防除、灰色かび病防除 |
ミニトマト -栽培室③-
【栽培ノート:2020年3月16日~2020年4月15日】
定植:2019年8月17日 品種 穂木:TY千果(タキイ種苗 株式会社) 台木:グリーンセーブ(タキイ種苗 株式会社) 栽植密度:3.12本/m2 |
|
生育状況 (4月15日現在) |
総草丈:973.4cm、茎径:10.0mm、葉数:12.5枚、 開花花房:29.5段、収穫花房:22.3段 |
栽培作業 (4月15日~) |
誘引、直上葉・下葉の摘葉 (※直上葉の摘葉は4月中旬で終了予定)、 吊りおろし、摘花、わき芽取り、収穫 |
病害虫防除 (4月15日~) |
コナジラミ防除、灰色かび病防除 |
写真3 大玉トマトの生長点付近の様子
写真4 ミニトマトの生長点付近の様子
ご案内
*このページを印刷・保存されたい方は、こちらをクリックしてください。〔PDF〕ファイル