トマトパークだより-第36便- - トマトパーク

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写真6 株撤去の作業様子

トマトパークだより-第36便-

栽培室3の2018年度栽培について

トマトパークアカデミー3期生 マスターコース 伊藤春樹

 

 研修2年目の課題として栽培室3でミニトマト栽培の管理責任者を務めました。目標と意識したことを以下に挙げます。

 

~目標について~

 今作の栽培品種はTY千果(タキイ種苗)とTY花鳥風月(ナント種苗)です。目標収量は両品種共32t/10aとしました。

 前作で収量31t/10aを達成したノウハウと反省を生かせば、さらに収量を伸ばすことが可能だと考えたためです。また、高単価が見込めるMサイズ率を増やすことも目指として掲げました。

写真1 伊藤さん写真1 伊藤さん

 

~目標達成のために行った施策~

1.栽植密度を増やす

 栽培開始時の栽植本数3.12本/㎡を、年明けに4.2本/㎡まで増枝しました。前作は3.9本/㎡までの増枝でしたが、後半のLAI不足と収量増加を考慮し、今回は4.2本/㎡としました。収量は4月まで伸び悩んでいましたが、増枝した分の果実が取れ上がると前作を追い越せるようになりました。ただし増枝する本数や時期については再度検討が必要と感じました。

写真2 ミニトマトの樹姿写真2 ミニトマトの樹姿
 

2.病害虫対策

 栽培する株の減少を防ぎ、生産性を確保するために病害虫対策は重要と考えました。対策としては、飽差管理と薬散を主として行いました。飽差が1g/㎥以下になるとうどんこ病や灰色かび病などが発生するリスクが高まるので、飽差1g/㎥を下回らない環境管理を心掛けていました。また、病害虫が発生しやすい時期の前に薬剤を予防的に散布して菌や虫の密度を減らし、病害虫の発生を抑える管理をしました。

3.摘花

 前作では、1番上の開花果房から2段下の果房の花数を状況により調整することで、果実数・サイズによる樹勢のコントロールや、果房の長さの適正化を実現しました。このことは作業性向上にもつながりました。今作でも引き続きその方法で摘花を行いましたが、更なる検証のため栽培途中(10/1~1/5)に無摘花区と花数制限区(シングル果房区)を設けて比較をしました。無摘花区ではSサイズ未満の果実を多数出してしまい、ロスがありました。花数制限区(シングル果房区)では果実は大きくなりましたが収量が伸びませんでした。日射が多くなる5月からは全て無摘花としましたが、Sサイズ以上の果実が収穫できました。摘花には作業工数がかなりかかるため、実施した場合のメリットについて予測・検証が必須だと考えています。


写真3 ミニトマトの果実の様子写真3 ミニトマトの果実の様子

 

図1 栽培面積あたりの可販果図1 栽培面積あたりの可販果
 

 今作では目標とする32t/10aを達成し、可販果の半数以上をMサイズとすることができました。来作でも研修2年生がこれまで以上の成果を上げることを期待しています。

 

 

トマトパーク栽培状況 7月

大玉トマト -栽培室①-

【栽培ノート:2019年6月16日~2019年7月15日】

 定植:8月17日

 品種 穂木:りんか409(株式会社 サカタのタネ)、台木:フレンドシップ

 栽植密度:3.64本/m2

 生育状況  (7月15日現在)

 収穫段数:28.2段目、収量:52.72t/10a

 栽培作業  (6月16日~7月15日)

 吊り降ろし、わき芽取り、下葉の摘葉、果梗切り、収穫

 病害虫防除 (6月16日~7月15日)

 うどんこ病防除、灰色かび病防除、コナジラミ防除

 

ミニトマト -栽培室③-

【栽培ノート:2019年6月16日~2019年7月15日】

 定植:8月17日

 品種 穂木:TY千果(タキイ種苗 株式会社)、台木:グリーンフォース

 栽植密度:4.20本/m2

 生育状況  (7月15日現在)

 収穫段数:36.2段目、収量:31.45t/10a

 栽培作業  (6月16日~7月15日)

 吊り降ろし、わき芽取り、下葉の摘葉、果梗切り、収穫

 病害虫防除 (6月16日~7月15日)

 うどんこ病防除、灰色かび病防除、コナジラミ防除、

 トマトサビダニ防除

 

写真4 水切り後の大玉トマトの様子写真4 水切り後の大玉トマトの様子

 

写真5 水切り後のミニトマトの様子写真5 水切り後のミニトマトの様子

 

写真6 株撤去の作業様子写真6 株撤去の作業の様子

 

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