トマトパークだより-第48便- | トマトパーク

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トマトパークだより-第48便-

栽培室の2019年度栽培について

トマトパークアカデミー3期生 マスターコース 小久保柾樹 

 

研修2年目の主なテーマとして、トマトパークの栽培室③でミニトマト栽培の管理責任者を務めました。

目標:前作において32.9t/10aの収量を達成しました。そこでそれを超える34t/10aを目標としました。

品種:今作の栽培品種はTY千果(タキイ種苗株式会社)とTY花鳥風月620(ナント種苗株式会社)。選出理由としてTY千果は前作において32.9t/10aを達成した品種であること、TY花鳥風月620は実家で栽培している品種なので将来の栽培に向けて特性を把握したいと考えたためです。

写真1 小久保さん

目標達成のために意識して行ったことは以下の2点です。

1.栽植密度を2段階で増やして茎径を維持する。

前作においては1月上旬に3.12本/㎡から4.16本/㎡に一気に増枝した影響で、その後茎径が細くなってしまいました。今作では9月に3.12本/㎡から3.38本/㎡に増枝、1月上旬に3.38本/㎡から4.16本/㎡に増枝することで茎径の減少を防ごうと考えましたが、結果としては2回とも増枝後に日射量が少ない日が続いたため、茎径は適正値より細くなってしまいました。

 

2.適切な葉数管理

前作では日射量に対して葉数が多い管理が続き、呼吸による消耗も多かったと考えたため、今作では日射量に合わせてこまめに摘葉を行いました。結果としては低日照時期の消耗を抑えられたと思います。

写真2 千果(4月2日)

結果:収量はTY千果:32t/10a、TY花鳥風月620:28t/10aとどちらの品種も目標に達しませんでした。

反省点:目標収量に達しなかった要因としては、増枝のタイミングが適切でなかったことがあげられます。9月上旬の増枝は1月上旬の増枝に向けて段階を踏む目的で行いましたが、3.38本/㎡で秋の日射量が落ちる時期や冬至を越えることは植物にとって負担が重く、茎径が細くなったため摘花をしなければならず、必要のない増枝をしたことになりました。

グラフ TY千果の茎径と着果数の推移

1月上旬の増枝は正月休み明けに増枝に適した側枝が伸びていたこともあって行いましたが、タイミングとしては早すぎ、もう少し日射量が多くなる時期を待って増枝するべきでした。前年1月上旬の天気が良く、今年も同じように天気が良いだろうという予測のもと増枝を行ってしまいましたが、曇天が続いたことで茎径が細くなり、摘花を多く行う必要がありました。また3.38本/㎡から4.16本/㎡に増枝するのではなく、1月上旬は3.38本/㎡から3.9本/㎡、もう少し日射量が多くなってきたら3.9本/㎡から4.16本/㎡に増枝するなど段階を踏むべきだったと思います。

写真3 千果の果実(3月5日)

収量の多かったTY千果は樹勢が落ちたり、低日照等の環境になると開花数が少なくなる傾向があります。1月から3月にかけて開花数が前作よりも少なくなり、収量を落としてしまいました。花数は摘花により減らせますが、増やすことはできないため、常に開花数を多く保つことが、収量増のために重要だと感じました。

トマトパーク栽培状況 7月

大玉トマト -栽培室①-

【栽培ノート:2020年6月16日~2020年7月15日】

定植:2019年8月17日

品種 穂木:りんか409(株式会社 サカタのタネ)、

          台木:フレンドシップ(株式会社 サカタのタネ)

栽植密度3.12本/m2

 生育状況  (7月15日現在)

 総草丈:684.5cm、収穫段数:27.5段

 栽培作業  (7月15日~)

 誘引(巻きつけ)、下葉の摘葉、

 吊りおろし、わき芽取り、収穫、摘蕾、摘心

 病害虫防除 (7月15日~)

 コナジラミ防除、灰色かび病防除

 

ミニトマト -栽培室③-

【栽培ノート:2020年6月16日~2020年7月15日】

 定植:2019年8月17日

 品種 穂木:TY千果(タキイ種苗 株式会社)

    台木:グリーンセーブ(タキイ種苗 株式会社)

 栽植密度:3.12本/m2

 生育状況  (7月15日現在)

 総草丈:1292.9cm、収穫花房:36.3段

 栽培作業  (7月15日~)

 誘引、直上葉・下葉の摘葉

   吊りおろし、わき芽取り、収穫、摘蕾、摘心

 病害虫防除 (7月15日~)

 コナジラミ防除、灰色かび病防除、うどんこ病防除

写真4 水切り途中の大玉トマト

写真5 最終収穫前のミニトマト

 

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