トマトパークだより-第51便- | トマトパーク

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トマトパークだより-第51便-

『トマトの生育調査および栽培管理』

トマトパークでは、毎週すべての栽培室で生育調査を行い、データはプロファインダークラウドで公開しています。生育調査の後、ハウス内の環境設定や推移などを確認し、実際に栽培室を巡回する栽培OJTを必ず行っています。

 

生育調査とは、作物の今の状況を数値で把握する方法です。このメリットとして、 

・植物の生育を客観的に評価できる

・環境データとあわせ、植物の反応を知ることができる

・生育状況をデータ化することにより、ほかの生産者や自分自身の前作の生育状況と比較ができる

などがあげられます。

 例えば、トマトでは生育状況を判断する指標として、開花位置から生長点の長さや茎径(前回生育調査時の生長点位置)、花色などがあり、そのほか約10項目についても毎週欠かさず調査しています。数値で把握することで、先週からの変化や昨年の同時期との比較などが可能となり、今後の栽培管理方針を決める大きな手助けとなります。

 さらに、測定した環境管理と照らし合わせることで、植物にとってどのような環境を実現できたかを実際に確認することができます。ここで問題が発生していた場合、早期に軌道修正も行えるようになります。

 季節や天候などによって、植物体の反応は日々変化していきます。これらの変化にいち早く気づき、対処することで作物へのストレスを軽減させることができます。生育調査の項目は数多くありますが、開花花房から生長点までの長さや草丈、葉の大きさなど、比較的測定しやすい項目の調査を数株行うだけでも、生育状況を判断するのに有効です。

 特に、トマトなどの長期栽培を行う作物にとっては、生育期間に発生するストレスをどれだけ軽減できるかが収量や果実品質などに大きく影響します。できる部分から、生育調査を活用し、栽培方法および環境制御方法を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

図1 生育調査

(上)調査の様子 (下)実際の生育調査用紙

図2 測定の様子

(左)開花花房から生長点までの長さ (中央)茎径 (右)葉色

図3 プロファインダークラウドの画面

生育調査区や栽培年などを比較することができる

図4 環境管理についての打ち合わせ

生育調査と併せて現在の環境管理を確認し、今後の方針を立てていく

この積み重ねが高収量を実現する鍵となる

トマトパーク栽培状況 11月

大玉トマト -栽培室①-

【栽培ノート:2020年10月16日~2020年11月15日】

定植:2020年8月18日

品種 穂木:りんか409(株式会社 サカタのタネ)、

          台木:フレンドシップ(株式会社 サカタのタネ)

栽植密度3.12本/m2

 生育状況  (11月15日現在)

 総草丈:260.2cm、茎径:10.5mm、開花花房:7.5段 

収穫花房:2.2段 積算収量:1.9t/10a

 栽培作業  

収穫、誘引、腋芽、摘花、直上葉とり、

葉かき、吊り下ろし

 病害虫防除 

コナジラミ防除、灰色かび病防除、

うどんこ病防除

 

ミニトマト -栽培室③-

【栽培ノート:2020年10月16日~2020年11月15日】

 定植:2020年8月18日

 品種 穂木:TY千果(タキイ種苗 株式会社)

    台木:TTMー079(タキイ種苗 株式会社)

 栽植密度:3.12本/m2

 生育状況  (11月15日現在)

総草丈:427.4cm、茎径:9.8mm、開花花房:10.8 段、

収穫花房:5段、積算収量:2.6t/10a

 栽培作業  

 収穫、誘引、腋芽、摘花、直上葉とり、葉かき、

 吊り下ろし

 病害虫防除 

 コナジラミ防除、灰色かび病防除、うどんこ病防除

写真5 上から見た大玉トマトの様子

写真6 上から見たミニトマトの様子

 

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