トマトパークだより-第42便- - トマトパーク

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写真1 大玉トマトの成長点付近

トマトパークだより-第42便-

暖房機を使った温度管理について

 温度の変化は、生育のコントロールに影響するだけでなく、短時間で起きるハウス内での物理現象として観測できます。例えば、結露がそうです。厳寒期である今の時期、午前中の早い時間帯に、作物に結露が発生しているハウスを時折見かけます。結露が発生していると、一見して水滴は見えなくても、収穫に入り作物に触れると服が濡れてしまいます。また、ひどいときには収穫物の表面が濡れ、収穫箱まで濡れてしまうこともあります。結露が発生すると、このような見た目や作業上の問題だけでなく、灰色かび病に代表される病気の発生を助長したり、果実の着色を抑制したりするなど、生産上でも大きな問題を引き起こします。そこで、今回は結露の発生を減らすために、暖房機を使った朝方の温度管理とその効果について述べます。ここでいう朝方とは、日の出前から換気開始までの短い時間帯を指します。

 まず、結露が発生する状況について説明します。例えば、トマト栽培において夜間の暖房温度が13℃だったとします。日の出後、太陽熱によってハウスの気温は、9:00頃には20℃程度まで上がります。このとき露点は蒸散によって絶対湿度が上がることで、気温より少し低い18℃程度まで上昇します。一方で、収穫間際のトマト果実は水分を多く含み、熱容量の大きなものなので、急な気温の上昇に果実表面の温度は相当遅れてついていくことになります。このとき、果実の表面温度が13℃のままだと、露点18℃との間には、5度もの差がついてしまいます。これは、冷たい水の入ったコップを室内に置いておくようなもので、あっという間に表面で結露が進んでいくことになります(図1)。

図1 朝方の暖房による加温なし

図1 朝方の暖房による加温なし

 

 こうなることを防ぐために、朝方における気温の上昇が緩やかになるような温度管理を心がけましょう。目安として、露点が気温に対して1時間以上後にずれるようにします。朝方にかけての温度上昇を緩やかにするほど、果実が温まるための時間がとれるようになり結露が少なくなります(図2)。

 そうすることで、結露の発生を極力抑えることができます。当然、加温するために経費はかかりますが、多くの場合はハウス内環境を改善でき、経費を上回る生産性の向上、作業性の向上が得られます。

 是非検討してみてください。

図2 朝方の暖房による加温あり

図2 朝方の暖房による加温あり

 

トマトパーク栽培状況 1月

大玉トマト -栽培室①-

【栽培ノート:2019年12月16日~2020年1月15日】

 定植:2019年8月17日

 品種 穂木:りんか409(株式会社 サカタのタネ)

    台木:フレンドシップ(株式会社 サカタのタネ)

 栽植密度:3.12本/m2

 生育状況  (1月15日現在)

 総草丈:313.7cm、茎径:9.35mm、葉数:14枚、

 開花花房:11.3段、収穫段数:6.2段

 栽培作業  (1月15日~)

 誘引、直上葉・下葉の摘葉、吊りおろし、摘花、

 わき芽取り、収穫、側枝伸長(栽植密度を増加させる作業)

 病害虫防除 (1月15日~)

 うどんこ病防除、コナジラミ防除、

 灰色かび病防除

 

ミニトマト -栽培室③-

【栽培ノート:2019年12月16日~2020年1月15日】

 定植:2019年8月17日

 品種 穂木:TY千果(タキイ種苗 株式会社)

    台木:グリーンセーブ(タキイ種苗 株式会社)

 栽植密度:3.12本/m2

 生育状況  (1月15日現在)

 総草丈:640.0cm、茎径:9.0mm、葉数:12.0枚、

 開花花房:18.7段、収穫花房:12段

 栽培作業  (1月15日~)

 誘引、直上葉・下葉の摘葉、吊りおろし、摘花、

 わき芽取り、収穫、側枝伸長(栽植密度を増加させる作業)

 病害虫防除 (1月15日~)

 なし

 

写真1 大玉トマトの成長点付近

写真1 大玉トマトの成長点付近

 

写真2 ミニトマトの成長点付近

写真2 ミニトマトの成長点付近

 

 

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